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​教育講座

​相羽 秀子 先生

教育講座C

​テーマ:
​  「
子どもの発達における感覚統合の大切さ」

  私が「感覚統合」という言葉を知ったのは学生時代の終盤のころ、担当教官から教

りました。しかし、何のことかさっぱりわからず、難しい四字熟語だなという印象だけが残っていました。それでも、就職してすぐに、「感覚統合の講習会だけは行かしてください」と図々しくも強く要望したのです。1981年秋、感覚統合についての研修会が東京で開催され、その時に、感覚統合研究会が発足したのです。何度となく研修会・講習会に参加し、少しずつ感覚統合のことが理解できるようになっていきました。

 目で見てわかる身体的障害は効果的な治療はできないにしても、なんとなく理解はできgる。しかし、脳の中で起こっていることを想像して分析していくことは、私にとってとても難しい事でした。1972年、エアーズの最初の著書である『Sensory integration and learning disorders』「感覚統合と学習障害」は難しい理論満載の本で、その本を理解するために、当時のリハビリスタッフと共に、多くの資料を揃えて、学び合ったものです。その次に出版された「こどもの発達と感覚統合」という本は、エアーズが障害を持つ両親向けに書かれた本で、少し優しく書かれており、「この本なら、読むことがでる。理解しやすい」とむさぼるように読んでいました。その中で、「すべての人間関係の最も基盤となっている1つのものは、地球の引力野に対する私たちの関係である。これは母子関係よりもはるかに根本的なものである。前庭系の感覚統合は、私たちに『重力の保証』を与える。」の一文に出会いました。衝撃を受けました。それまで、発達障害(自閉症)のお子さんたちの言動に理解できなかったことが、少し見えてくるような気がしたのです。

 作業療法士として多くの子どもたちと接するなかで、感覚統合の発達から見ていくことの大切さを、たくさん教えていただきました。今回は、私の経験を踏まえ、感覚統合のことを皆さんと一緒に学んでみたいと思います。

*経歴:相羽 秀子(大垣市役所子育て支援課 非常勤作業療法士)

​1981年 国立療養所近畿中央病院付属リハビリテーション学院、作業療法学科卒業

1981年 岐阜県立希望が丘学園(現希望が丘こども医療福祉センター)に就職

2001年 地域療育システム支援事業スタッフとして飛騨地域を皮切りに県内の療育施設、保育園等を訪問し療育を実  

     施し、相談、支援を行う

2005年 発達障害視線センターのぞみの職員となり、自閉症をはじめとする発達障害児への支援を行う

2016年 希望が丘子供福祉センターリハビリテーション科課長として勤務

2020年 大垣市子育て支援課発達支援グループに発達相談員として勤務

2022年 岐阜市発達相談員として運動発達の相談、特別支援学校へ作業療法士として助言、作業療法学生への講義な

    ど行う。

​2025年 大垣市子育て支援課発達支援グループへ再就職

教育講座B

​平工 実奈子 先生

​テーマ:
​ 「
セラピストに必要とされるのは1品で勝負するおいしいラーメン屋さん的役割か?全般的においしいファミレス的な役割か?~姿勢運動発達の要素も添えて~」

 私は、最初の職場は肢体不自由児施設、次に地方の総合病院で発達障害のお子さんを中心に関わり、保育園、学校など地域の療育にも参加させていただいておりました。現在の職場は、小児の急性期で生まれたてのお子さんから、術後や医療的ケア児まで関わっています。理学療法士です。今は、呼吸リハビリテーション、運動発達促通と言った『ザ・理学療法』をしているのかもしれません。しかし、目の前のお子さん、親御さんたちは一人の人間であって、呼吸だけ、姿勢だけ、運動発達だけ切り離すわけにはいきません。身体、運動の特性や性格や環境などの特性を評価し、治療につなげていきます。作業療法だからと言って、更衣動作一つをとっても、坐位バランス、上肢操作、運動遂行能力、空間認知能力、福祉用具や衣類の選定 などなどの評価・治療が必要と思います。

 理学療法士としての誇りを持ちながら、おいしい逸品のラーメンが出せるラーメン屋さんのように知識、技術を持って目の前のお子さんに臨んでいきたいと思っています。しかし、色々なお子さん、親御さんと向き合うと、逸品の一品のラーメンだけだと、目の前のお子さんは、実はカレーライスが食べたかったりするわけで・・・。セラピストとして求められるのは、運動面はもちろんのこと、環境設定、関わり方や、アドバイスなどなんでもする必要がありますし、求められます。地域では、お箸の使い方やジャングルジムの登り方も聞かれます。しかし、ファミレスみたいにラーメンもカレーライスもパフェも!と、なんでも知っている・できるには限界があります。

そんな中、セラピストとして、頼りにしてもらえるようにするには、何が必要なのかを自問自答しながら目の前のお子さん達と向き合ってきました。色々な小児の現場を経験して、こんな考え方、こんな視点を知ってると少しお子さん達が近づく、怖くなくなると思っていただけたらと思って、実際の場面や症例のお子さんのことなど少しだけ理学療法士っぽく、姿勢運動発達の話も含めてお話する予定です。

 

*経歴:平工実奈子 (岐阜県総合医療センター 総合リハビリテーション部)

2004年 国立療養所東名古屋病院附属リハビリテーション学院卒

理学療法士 認定理学療法士(発達障害)

岐阜県立希望が丘学園(現希望が丘医療福祉センター)

岐阜県立下呂温泉病院

教育講座A

小笠原 紀子 先生

​テーマ:
​ 「豊かに暮らし続けるために ~ 環境整備において作業療法士の求められる役割 ~ 

 福祉用具選定における作業療法士の役割・必要な知識・活用の仕方を通して、今求められている作業療法士の役割について、ともに考える。

 

*経歴:小笠原 紀子 ( 株)ヤマシタ)

学歴:川崎リハビリテーション学院 作業療法学部卒業

   佛教大学 社会学部 社会福祉科卒業

職歴:川崎リハビリテーション学院 作業療法学部教員

   その後、クリニックや病院の作業療法部門の開設・介護老人保健施設・通所施設等で作業療法業務に従事。ま

   た、介護支援専門員としても勤務。

   常葉学園医療専門学校・静岡医療科学専門大学の作業療法学科教員を経て(株)ヤマシタに入職。現在は、人材

   開発科課で社員の研修・成長支援に携わっている。

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